ゆる特許事務所

特許事務員による特許事務員のためのブログです。ゆるゆると特許法を勉強していきましょう。

異議申立の続き

こんばんは!ゆる特許です。

あっという間に12月ですね!

 

異議申立の続きです。

 

今日は異議申立をする場合について書いてみます。

 

まず、異議申立をできる期間は、特許公報の発行日から6月です。

おそらく、クライアントは対象の特許を終始見張っていると思いますので、この期間を逃すことは少ないと思いますが、異議申立の要望があれば、まずこの期限をすぎていないか確認しましょう。

 

それから、異議申立をできる人としては、「何人も(匿名は不可)」となっています。

もちろん弁理士やクライアントの名前を書いて申し立てることもできますが、大抵、どこの誰が手続きしたかわからないようにするため、ダミーを立てます。

 その際に、「匿名」では手続きができない点に注意です。

(同じように名前を伏せて手続きをする「情報提供」という手続きがありますが、こちらは「匿名」での手続きが可能です。)

 ちなみに、私が受けた研修では、「事務の人の名前を書いたり等」と事例が出ていましたが、特許事務所の一般所員の中で、「名前を使ってもいいよ」という人はあまりいませんよね。。。実際には、所長の関係者などになるのでしょうか。

 

審理が始まり、特許権者に対して取消理由通知が出され、特許権者が、特許になった請求項の内容を変更する「訂正請求書」を提出した場合、異議申立人にも意見書の提出の機会が与えられます。

 

最後に、審理の結果が、「特許維持」、つまり、異議申立人が負けてしまった場合、これ以上、異議申立として戦うことはできません。あらためて、無効審判を請求して、無効審判として戦うことになります。

 

書類の様式はこちらをご参考ください!

https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/igi_moushitate_youshiki.htm 

 

ではまた!ゆるゆる〜。

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異議申立とは?

こんにちは!ゆる特許です。

 

今日は、異議申立について書いてみます。

 

その名のとおり、「異議を申し立てる」わけですが(笑)、すでに登録になった特許に対して、「いやいや、◯◯な理由でこれは特許をとれませんよ。取り消してくださいよ」と特許庁に訴える制度です。

 

同じような内容の特許を欲しい人たちが訴えてくるわけですね。

 

実は昔にもあった制度なのですが、いちど廃止されています。同じように、「これは特許になりえませんよ」と訴えることができる制度として、「無効審判」というものがあり、こちらに統一しようとしたのですが、無効審判の件数がおもったより増えない、などの理由から、平成27年4月1日から再開されました。

 

異議申立ができるのは特許公報の発行から6月、などの制限がありますが、無効審判よりも手続がしやすいようです。 

 

では、まずはじめに、異議申立をかけられた場合の話をしましょう。

 

管理している案件に対して異議申立をかけられると、まず、「異議番号通知」なるハガキが郵便で届きます。特許事務としては、なにげなく郵便物の処理をしていると、「キャ〜!」となるわけです(笑)

 

引き続き代理人として手続きを引き受ける場合は、代理権の確認をしましょう。委任状を提出していない場合は、受任届と委任状を提出してください。

 

代理権の確認がとれてしばらくしたら、特許庁から異議申立書の副本が送られてきます。異議申立の制度では、真の申立者を明かさないでもOKなので、書類の作成者は、大抵、よくわからない個人名になっています。

 

特許庁が審理を開始して、特許にならない理由を見つけた場合は、「取消理由通知」が発送されます。「拒絶理由通知」みたいなものです。代理人として応答するよう準備を進めますが、その際に、「訂正請求書」という書類を提出して、すでに特許になった内容を修正する場合もあります。

 

再開されたばかりの制度ですし、勉強するのはなかなか面白いですよ!

 

ではまた!ゆるゆる〜。

 

参考:

https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/igi-tebiki/tebiki.pdf

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拒絶審決とは?

こんにちは!ゆる特許です。

三連休ですが、みなさん、いかがおすごしですか?気持ちのいい秋晴れが続いてますね~。

今日はそんな秋晴れとは正反対(笑)、拒絶審決について書いてみます。審決拒絶と言ったりもします。

拒絶査定を受け取って不服審判請求を提出してもなお、審査官が納得しない場合に、拒絶審決がだされます。

 (拒絶査定については、http://yurutokkyo.hatenablog.com/entry/2017/09/17/161646

 

特許法を見てみると、156条と157条に書いてあります。

(審理の終結の通知)
第百五十六条 
〜略〜
4 審決は、第一項又は第二項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。
 
(審決)
第百五十七条 審決があつたときは、審判は、終了する。
2 審決は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
一 審判の番号
二 当事者及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
三 審判事件の表示
四 審決の結論及び理由
五 審決の年月日
3 特許庁長官は、審決があつたときは、審決の謄本を当事者、参加人及び審判に参加を申請してその申請を拒否された者に送達しなければならない。
 

「審決があつたときは、審判は、終了する。」とは、「審判のステージは終了して、次の審決のステージにうつります」ということですね、きっと。 

 

拒絶審決なんて受け取ったら、もうそれはえらいこっちゃです。これに反論するためには、知的財産高等裁判所(略して、知財高裁と言います。)に、特許庁を相手に、審決取消訴訟を起こすことになります。裁判ですよ!

 

原告:出願人(代理人として特許事務所の弁理士が関わります)
被告:特許庁
となるわけです。

「この審決の結果は納得できないから、取り消せ!」という裁判です。どうしても必要な特許は、このような方法を使ってでも獲得していこうとします。


事務の仕事としては、まずはクライアントに審決を受け取ったことを連絡することになります。大抵は諦めることが多いかと思いますが、訴訟に進むことになったら、訴訟専門の担当者にバトンタッチする事務所もあるでしょうし、そのまま審決の担当者が担当する事務所もあるでしょう。(訴訟関係についてはのちほどご説明していきたいと思います。)

ではまた!ゆるゆる〜。

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委任状について

こんにちは。ゆる特許です。

大型台風、心配ですね…

 

今日は、委任状について書いてみます。

 

特許事務所は、弁理士が出願人の代わりに手続きをおこない、その代理業務に対して手数料をいただくことで成り立っています。

大切な手続きなので、その出願人が本当に手続きを依頼したのか、つまり、その弁理士は代理権をもっているのかどうか、特許庁に証明する必要があります。

 

そのために提出する書類が「委任状」です。 

 

委任状には以下の2種類があります。

  • 包括委任状

その出願人が依頼した全案件に適用されます。包括委任状提出書という書類に委任状を添付して提出すると、1月ほどで、「包括委任状番号通知」という書類が届きます。代理権の証明が必要な場面では、そこに書かれている「包括委任状番号」を書類に記載すればOKです。

包括委任状をもらえるというのは、それだけ出願人から信頼されているということですが、事務担当者の作業も、後々、とってもスムーズになります。

 

  • 個別委任状

出願番号や特許番号が記載された委任状で、それぞれの案件にのみ効力を発揮します。代理権を証明することが必要な書類を提出する際に、一緒に提出します。任されている案件が少なかったり、「包括委任状はわたさない」という出願人の方針があったりする場合に、こちらが使われます。1つの案件につき、一度提出すればOKです。

 

どちらにしても、事務所でテンプレートを用意しておけば、毎回時間がかかるような作業ではありません。出願人の名称や住所を間違えないように、気をつけて作成してくださいね!

 

なお、代理権の証明が必要な場面としては、

  • 出願人にとって権利の放棄となる出願取下
  • 出願から審判へとステージが代わる不服審判請求
  • 権利の所有者が代わる名義変更、移転登録

などです。

出願時から関わっていれば出願する際には必要ではありませんが、他の特許事務所が出願した案件を途中で引き継ぐ場合(中途受任と言います)には、引き継ぐタイミングで代理権の証明が必要になります。

 

出願人が、日本か外国かの違いとしては、

日本の出願人の場合には、日本語で書かれた委任状に印鑑をおしてもらったものを提出します(韓国の出願人も日本と同じ印鑑文化なので印鑑を押す場合があります)。

外国の出願人の場合には、英語で書かれた委任状にサインをもらったものとその日本語訳を一緒に提出します。

 

そういえば、27年の法改正で、外国語出願が英語だけでなく他の言語もOKになったけど、委任状はどうなっているのかな?

ネットで調べてみましたが、よくわかりませんでした。委任状は特許事務所が作ることがほとんどで、外国の出願人が英語以外の外国語で自ら作成して送ってきた。。。なんてことはまずないと思いますが、まったくないとも言い切れませんね。万が一、そんな場面に出くわしたら特許庁に聞いてみたいと思います!

 

ではまた!ゆるゆる〜。

 

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レシプロって何?

こんにちは!ゆる特許です。

今日はちょっと番外編です。

 

特許事務所で勤めていると、

「レシプロ狙うためにあの事務所にしてみましょう」とか、

「あの事務所、いいんだけど、レシプロがないからね〜」などと、

会話が聞こえてくることがあります。

 

なにげなく聞こえてくる「レシプロ」という言葉はどういう意味でしょうか?

 

言葉の意味としては、

レシプロケーティング(reciprocating)の略。行って戻ってくる往復運動の機関に用いる。

http://www.weblio.jp/contentに「レシプロ」と入力)

 です。

 

特許業界では、海外の特許事務所との仕事の交換のことをいいます。

 

日本の出願人が海外の特許を取得する際には、日本の特許事務所は海外の特許事務所に仕事の依頼をします。反対に、海外の出願人が日本の特許を取得する際には、海外の特許事務所は日本の特許事務所に仕事を依頼します。

このように仕事のやりとりをして、持ちつ持たれつしているわけです。仕事を依頼しているのに、見返りとしての仕事を受けることができないとき、冒頭のような会話がされるわけなんですね〜。

 

事務としては、内外事務が海外に仕事を依頼することによって、今度は、外内事務が仕事を受任する、という流れになります。

どの事務所に仕事を依頼するかは所長や弁理士が決めることが多いですが、判断の際に意見を聞かれることもあると思います。海外の事務所についての事務的な情報は、内外事務と外内事務で情報共有しておく方がいいですね!

 

関連記事:

内内、内外、外内とは? - ゆる特許事務所

 

ではまた!ゆるゆる〜。 

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不服審判請求とは?

こんにちは〜。

台風が心配な三連休、みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

特許事務は主に平日に勤務するので、ご自宅で過ごされている方が多いのではないでしょうか。

 

さてさて、今日は前回の続きで、不服審判請求について書いてみたいと思います。

 

拒絶査定が発送されると、それに反論するためには、「不服審判請求」という手続に進みます。

 

特許法には、121条に書かれています。                 

(拒絶査定不服審判)
第百二十一条 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。

拒絶査定を受け取ってから、3月以内に「審判請求書」という書類を提出します。

ちなみに、外内事務が担当する海外の出願人(在外人)に対する期限は4月となります。

根拠はこちらです。特許庁HPより↓

https://www.jpo.go.jp/iken/iken_zaigaisya_toriatukai_2.htm 

 

「審判請求書」の様式については、下記をご覧ください。

事務的に大事なことは、一番下に「包括委任状番号」を書くことになっている点です。

ある発明に対して、出願の段階から代理人として関わっていたとしても、審判請求書を提出する際には、あらためて、代理権を証明する必要があります。

出願時から審判へとステージが変わるためです。

もし包括委任状をもらっていない出願人であれば、この時点で委任状をとりよせる必要があります。もし共願人がいれば、共願人の委任状も必要ですので、忘れないようにしましょう。

 

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ではまた!ゆるゆる〜。

 

 

拒絶査定について

こんにちは!ゆる特許です。

8月も終わりですね〜。

 

今日は拒絶査定について書いてみます。

審査官が「◯◯な理由で特許にできないよ」と通知するのが拒絶理由通知で、その通知には、意見書と手続補正書を提出して応答すると以前に説明しましたが、それでもなお、「そんな説明じゃ納得できないし、やっぱり特許にできないよ」と通知されるのが、拒絶査定です。残念・・・

 

特許法では、49条「拒絶の査定」に

審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。 

とかいてあります。あとはずらずらと書いてあるので省略します。どうやら、49条に、審査官が出願人に「特許にできないよ」と言うことが許されている内容が記載されているようです。

 

そして、50条「拒絶理由の通知」として、
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
とかいてあります。つまり、
49条に従って「拒絶すべき旨の査定(つまり拒絶査定)」を出したいが、
50条があるから先に拒絶理由通知を出すってことのようです。
 
特許事務にとっては、拒絶理由通知も拒絶査定もよく見る書類ですし、拒絶理由通知の後に拒絶査定が発送されると漠然とはわかっていましたが、法律としては、AからBじゃなくて、Bを出したいがその前にAを出すって考え方なんですね!ほえ〜。勉強になりました。
 
ではまた!ゆるゆる〜。
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