ゆる特許事務所

特許事務員による特許事務員のためのブログです。ゆるゆると特許法を勉強していきましょう。

特許以外に守られるものって?

こんばんは!ゆる特許です。

慌ただしかった新学期もそろそろ落ちついてきた頃でしょうか。

 

今まで特許権のことを中心に書いていましたが、人々が作り出したものを守ってくれる制度は、他にもあります。

 

実用新案権」「意匠権」「商標権」です。

 

特許権も含め、これらをまとめて「知的財産権」とよびますが、どのような違いがあるのでしょうか。

 

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(画像は特許庁ホームページより引用)

 

◯特許

発明を保護します。保護期間は出願から20年です。

「〜の薬をつくる方法」や「スピードを早くだせるタイヤ」など、技術的に優れたことを発明した場合に保護されます。審査は厳しく、お金もかかり、何年もかけて登録になります。

 

◯実用新案

物品の構造や形状にかかる考案に限って保護します。

「〜の方法」という発明は、実用新案の対象ではありません。保護期間は出願から10年です。審査請求制度がなく特許よりも簡単に登録になります。

簡単に登録されるので、最初の出願の段階で、登録料も一緒に納付してしまいます!

 

意匠

物品のデザインを保護します。保護期間は、出願からではなく、「登録から」20年です。

車、椅子、カメラ、バッグなど、かっこいいデザインを思いついても、誰かに真似をされ同じような商品を作られると経営が成り立たなくなってしまいます。そのため、簡単に真似されないように、意匠として保護してもらいます。

意匠を出願する際には、前、後ろ、右、左、上、下からみた図や写真を載せます。そうやって立体図を平面的に表現するんですね。審査請求制度はありませんが、特許と同じように、拒絶理由通知が出される場合もあります。

 

商標

マークを保護します。保護期間は、登録から10年で、更新が可能です。

私たちはものを買ったり、サービスを受けるときに、その企業のマークをみて「いい商品だ」とか「この企業のサービスはいい」と、安心して物を買ったり、サービスを受けたりしています。ブランドイメージですね。

同じようなマークをつけた粗悪な商品が出回ったり、低品質なサービスが提供されたりすると、ブランドイメージが傷つけられてしまいます。そのために、商標として保護してもらいます。

 

他にも、「著作権」などがありますが、著作権は、絵、曲、本など、作品が作られたと同時に権利が発生するので、特許庁に申請して得られる権利ではありません。特許庁に申請するものは上記の4つになります。

 

ではまた!ゆるゆる〜

 

参考:特許庁ホームページ

お礼

ゆる特許事務所のブログを書きはじめて1年が経ちました!

いつも読んでくださっているみなさま、本当にありがとうございます。

 

実は、特許事務として仕事をするようになってから、もう10年になります。

10年たっても、毎日、わからないこと、難しいことがでてきます。。。

このブログを書くことで、わからないことを調べてみたり、漠然と仕事をしている部分をまとめてみたり、ゆるゆると、少しずつ、勉強していきたいと思っています。

たくさんの方に読んでいただけるよう、できるだけわかりやすく、読みやすい文章をめざします。

 

twitterにもアカウントを作ってみましたので、「ゆる特許事務所」で検索してみていただけると嬉しいです。

 

今後ともよろしくお願いいたします!

 

ではまた!ゆるゆる〜。

 

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PCT出願の手順について

こんばんは!ゆる特許です。

 

今日は、PCT出願の手順について書いてみます。

 

(過去記事:PCT出願とは? PCT出願の基本 - ゆる特許事務所

 

ほとんどの書類が専用のソフトを使ってオンラインで特許庁に提出できますが、PCT出願も同様にオンラインで提出できます。

 

まず、発明の内容が記載された、

明細書、請求の範囲、要約書、図面

は、弁理士や技術者の方にワードで作成していただき、htmlに変換します。

 

事務では、願書部分を作成します。

専用ソフトの誘導に従って、必要な情報を入力していくと作ることができます。

願書には、整理番号、発明の名称、出願人、発明者、基礎出願、代理人名などの情報を記入します。

 

まず、気をつける点として、明細書が日本語の場合でも、出願人や発明者については、英語と日本語の両方で表記する必要があるので、英語表記についても事前にクライアントに確認しておきましょう。

 

それからもうひとつ大切なこととして、指定する国を全指定とするか、日本を除くか、をクライアントに決めていただきます。

 

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原則は全指定です。この場合、基礎出願はみなし取り下げされるためなくなってしまいますが、日本へ国内移行することで新しい出願がうまれます。ブーメランのようですね!この新しい出願の出願日はPCT出願日と同じで、内容もPCT出願と同じです。

 

もし、基礎出願を残したい場合は、PCT出願する際に、日本を指定国から除きます。そうすることで、PCT出願から国内移行することはできなくなりますが、基礎出願がそのままの出願日と内容で残ります。

 

最後に、出願手数料が時々改定されますが、ソフトには自動で反映されません。事務所によって、IT部門に依頼したり事務の方がご自分で設定したりさまざまだと思いますが、古い料金体系で出願しないように気をつけましょう。

 

この願書と明細書などのhtmlを合体させると、PCT出願書類ができあがりです!

専用ソフトを使って、特許庁に提出しましょう〜。

 

参考:

http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/3_inet/1_operation/guide_07_pct-ro.pdf

 

では、また!ゆるゆる〜。

 

出願維持年金について

みなさん、こんにちは。ゆる特許です。

花粉症の方にとっては辛い季節ですが、ポカポカと天気のいい日が続きますね。

もうすぐ春の予感です!

 

今日は、出願維持年金について書いてみます。

 

出願維持年金とは、登録になる前から、出願を維持するために毎年支払う年金のことです。

 

日本では、登録になった後から年金の支払いが発生するので、出願維持年金制度はありません。

参考:

 

出願維持年金制度のある国は、

欧州、ブラジル、オーストラリア、カナダなどです。

https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2006/toukei/06-12-01.pdf

特許庁より)

 

この表をみると、中国やロシアも出願した年を1年目としていますが、登録になった時点で納付すればいいようです。

 

出願維持年金制度のある国は、中間処理などと並行して年金支払いもすすめなければいけません。2つの期限管理が同時に進むのでややこしいですね。大手の特許事務所だと年金専門の事務の方がいる場合もあります。

 

欧州出願の場合は、欧州出願が維持されている間は欧州特許庁に支払い、各国に移行されたら年金の支払いも各国に支払うことになります。

欧州出願については、また、あらためてまとめてみます!

  

ではまた!ゆるゆる〜。

 

 

米国_IDSについて

おはようございます!ゆる特許です。

 

今日は、米国のIDS制度について書いてみます。

 

内外特許事務の方々にとっては、米国出願といったらIDSに関する事務業務が常にある、というぐらい大切な制度です!

 

IDSとは、Information Disclosure Statementの略で、情報開示陳述書のことをいいます。

「米国出願の出願人は、自ら知っている先行技術文献を審査官に情報開示陳述書(IDS)によって提出しなければならない義務があります」という制度です。(先行技術文献とは似たような発明に関してすでに出願されていた場合に、その発明の内容が書かれた文献のことをいいます)

 

 つまり、似たような発明が過去に出願されていることを知っているなら報告しなさい、ってことです。

 

実は、米国は、日本のような審査請求制度がありません。出願したら、すべての出願が審査されるため、そのようなところにも関係しているのかな〜と思います。すべて審査するから、審査に必要な資料は用意しておきなさい、というような。。。

 

開示する期間としては、その米国出願が出願されてから特許証が発行されるまでです。

 

開示すべき情報としては、関連する外国出願の審査で引用された引用文献の情報です。(関連する外国出願のことをファミリーと言ったりします。)

 

なお、前回のブログでお知らせした仮出願の段階では、審査がおこなわれないため、情報開示の義務はありません。また、分割出願などで親と同じ引用文献があげられた場合も開示しなくていいそうです。

 

では、実際に、内外事務の方々は何をするかというと、同じ発明を日本、中国、EPなどのいろいろな国で特許をとろうとすると、それぞれの国で拒絶理由などの通知がでますよね。その際に、まず、米国のファミリーはないか確認します。もしファミリーがあれば、米国代理人に、通知書に書かれている引用文献の報告をするという業務を行います。

3ヶ月以内であれば無料で提出できるので、通知が出たら、速やかに米国代理人に知らせましょう。あとは、米国代理人がUSPTO(米国の特許庁)に提出してくれます。

ファミリーの管理については、データベースで管理したり、包袋(ほうたい。紙のファイルのこと)に書いたり、事務所によっていろいろだと思いますが、報告忘れがないようにしないといけませんね〜。

 

ではまた!ゆるゆる〜。

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米国_仮出願について

こんばんは!ゆる特許です。

 

今日は、米国の特許出願について調べてみました。

 

米国への特許出願は下記の4つに分けられます。

  1. 非仮出願(nonprovisonal application):英語による通常の出願
  2. 国際出願:PCT出願
  3. 日本語非仮出願:日本語で出願し翻訳文を提出する出願
  4. 仮出願(provisional application)

 

このうち、4.の「仮出顔」は、日本にはない制度です。

「発明は完成したけど、書類の準備ができない!」という時に、とりあえずは仮出願をしておいて、その後に必要な書類を準備することができます。仮出願をすることによって、米国での出願日を確保することができます。

 

通常、出願には、

  • 明細書
  • クレーム
  • 要約書
  • 図面
  • 発明者の宣誓書又は宣言書
  • 委任状
  • 譲渡証
  • 出願データシート(application data sheet)

が必要ですが、仮出願の場合は、実験結果などの情報と、出願人や発明者の情報のみでOKで、日本語でも出願できます。

 

仮出願は、おって本出願(上でいう1.の非仮出願)をすることを前提とされていて、出願から12ヶ月経つと自動的に消滅してしまいます。

なので、仮出願から12ヶ月以内に本出願を行う必要があります。翻訳文の提出も必要です!

 

ではまた!ゆるゆる〜。

 

参考:

https://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/miniguide/pdf/America_USA_sys.pdf

海外の特許制度について

おはようございます!ゆる特許です。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

昨年は日本の特許制度について書くことが多かったので、今年は海外の特許制度も勉強してみようと思います。

 

内外事務の方にはもちろん必要な知識ですが、意外にも、外内事務の方にも必要だなと思う時があります。外内事務が担当するお客さまは海外の方々で、自分の国の制度に対する知識をもとに業務を依頼してくるので、お客さまの国の制度をわかっておくと話が見えやすいです。日本の特許制度に詳しくないお客さまの場合は、その違いを説明する機会もでてくるかなと思います。

 

まずは、特許庁のホームページを見てみました。

「諸外国の制度概要(一覧表)」があったので、リンクを貼ってみます。(特許制度です。実用新案、意匠、商標については別の表があります。)

 

http://www.jpo.go.jp/torikumi/kokusai/kokusai2/pdf/sangyouzasisankenhou_itiran/1tokkyo.pdf

 

すごい数の国ですね。。。

少しずつ勉強していきたいと思います。

 

ではまた!ゆるゆる〜。