米国_仮出願について
こんばんは!ゆる特許です。
今日は、米国の特許出願について調べてみました。
米国への特許出願は下記の4つに分けられます。
- 非仮出願(nonprovisonal application):英語による通常の出願
- 国際出願:PCT出願
- 日本語非仮出願:日本語で出願し翻訳文を提出する出願
- 仮出願(provisional application)
このうち、4.の「仮出顔」は、日本にはない制度です。
「発明は完成したけど、書類の準備ができない!」という時に、とりあえずは仮出願をしておいて、その後に必要な書類を準備することができます。仮出願をすることによって、米国での出願日を確保することができます。
通常、出願には、
- 明細書
- クレーム
- 要約書
- 図面
- 発明者の宣誓書又は宣言書
- 委任状
- 譲渡証
- 出願データシート(application data sheet)
が必要ですが、仮出願の場合は、実験結果などの情報と、出願人や発明者の情報のみでOKで、日本語でも出願できます。
仮出願は、おって本出願(上でいう1.の非仮出願)をすることを前提とされていて、出願から12ヶ月経つと自動的に消滅してしまいます。
なので、仮出願から12ヶ月以内に本出願を行う必要があります。翻訳文の提出も必要です!
ではまた!ゆるゆる〜。
参考:
https://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/miniguide/pdf/America_USA_sys.pdf
海外の特許制度について
おはようございます!ゆる特許です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
昨年は日本の特許制度について書くことが多かったので、今年は海外の特許制度も勉強してみようと思います。
内外事務の方にはもちろん必要な知識ですが、意外にも、外内事務の方にも必要だなと思う時があります。外内事務が担当するお客さまは海外の方々で、自分の国の制度に対する知識をもとに業務を依頼してくるので、お客さまの国の制度をわかっておくと話が見えやすいです。日本の特許制度に詳しくないお客さまの場合は、その違いを説明する機会もでてくるかなと思います。
まずは、特許庁のホームページを見てみました。
「諸外国の制度概要(一覧表)」があったので、リンクを貼ってみます。(特許制度です。実用新案、意匠、商標については別の表があります。)
http://www.jpo.go.jp/torikumi/kokusai/kokusai2/pdf/sangyouzasisankenhou_itiran/1tokkyo.pdf
すごい数の国ですね。。。
少しずつ勉強していきたいと思います。
ではまた!ゆるゆる〜。
出願公開とは?
みなさん、こんにちは!ゆる特許です。
いつも読んでいただいてありがとうございます!
今日は、出願公開について書いてみます。
特許出顔をしてから1年6月後に、「公開公報」という書類が出され、特許出顔の内容が一般に公開されます。
どうしてこのような制度があるかというと、そもそも特許制度には、「産業の発展」という目的があります。
すばらしい発明や技術を発明者がひとりじめしていると、社会にとって進歩がうまれませんよね。そのため、技術を公開することと引き換えに、一定期間ひとりじめする権利をあたえましょう、というのが特許制度の仕組みなのです。
特許の権利は出願から20年です。権利が満了すると、その発明をみんなが使用することができるようになります。社会全体で発明を共有することで、さらにすばらしい技術が生み出されていき、産業の発展に繋がっていくということなのです。
特許をとるかとらないかは、出願人の戦略によることになります。
特許をとらないことに決めて、ずっと秘密にし続けることができれば、永久にその発明をひとりじめすることができます。ただし、その発明が漏れてしまっても何からも保護されませんし、もし他の人が同じ発明をして特許をとったら、どんなにこちらが早く発明をしたとしても、その発明の権利は権利者が独占することになります。
反対に、特許をとれば、一定期間はその発明をひとりじめできます。ただし、権利が満了した後は、他の人たちも使うことができ、ライバルがさらにすばらしい発明をすることにつながってしまう可能性もあります。
ではまた!ゆるゆる〜。
異議申立の続き
こんばんは!ゆる特許です。
あっという間に12月ですね!
異議申立の続きです。
今日は異議申立をする場合について書いてみます。
まず、異議申立をできる期間は、特許公報の発行日から6月です。
おそらく、クライアントは対象の特許を終始見張っていると思いますので、この期間を逃すことは少ないと思いますが、異議申立の要望があれば、まずこの期限をすぎていないか確認しましょう。
それから、異議申立をできる人としては、「何人も(匿名は不可)」となっています。
もちろん弁理士やクライアントの名前を書いて申し立てることもできますが、大抵、どこの誰が手続きしたかわからないようにするため、ダミーを立てます。
その際に、「匿名」では手続きができない点に注意です。
(同じように名前を伏せて手続きをする「情報提供」という手続きがありますが、こちらは「匿名」での手続きが可能です。)
ちなみに、私が受けた研修では、「事務の人の名前を書いたり等」と事例が出ていましたが、特許事務所の一般所員の中で、「名前を使ってもいいよ」という人はあまりいませんよね。。。実際には、所長の関係者などになるのでしょうか。
審理が始まり、特許権者に対して取消理由通知が出され、特許権者が、特許になった請求項の内容を変更する「訂正請求書」を提出した場合、異議申立人にも意見書の提出の機会が与えられます。
最後に、審理の結果が、「特許維持」、つまり、異議申立人が負けてしまった場合、これ以上、異議申立として戦うことはできません。あらためて、無効審判を請求して、無効審判として戦うことになります。
書類の様式はこちらをご参考ください!
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/igi_moushitate_youshiki.htm
ではまた!ゆるゆる〜。
異議申立とは?
こんにちは!ゆる特許です。
今日は、異議申立について書いてみます。
その名のとおり、「異議を申し立てる」わけですが(笑)、すでに登録になった特許に対して、「いやいや、◯◯な理由でこれは特許をとれませんよ。取り消してくださいよ」と特許庁に訴える制度です。
同じような内容の特許を欲しい人たちが訴えてくるわけですね。
実は昔にもあった制度なのですが、いちど廃止されています。同じように、「これは特許になりえませんよ」と訴えることができる制度として、「無効審判」というものがあり、こちらに統一しようとしたのですが、無効審判の件数がおもったより増えない、などの理由から、平成27年4月1日から再開されました。
異議申立ができるのは特許公報の発行から6月、などの制限がありますが、無効審判よりも手続がしやすいようです。
では、まずはじめに、異議申立をかけられた場合の話をしましょう。
管理している案件に対して異議申立をかけられると、まず、「異議番号通知」なるハガキが郵便で届きます。特許事務としては、なにげなく郵便物の処理をしていると、「キャ〜!」となるわけです(笑)
引き続き代理人として手続きを引き受ける場合は、代理権の確認をしましょう。委任状を提出していない場合は、受任届と委任状を提出してください。
代理権の確認がとれてしばらくしたら、特許庁から異議申立書の副本が送られてきます。異議申立の制度では、真の申立者を明かさないでもOKなので、書類の作成者は、大抵、よくわからない個人名になっています。
特許庁が審理を開始して、特許にならない理由を見つけた場合は、「取消理由通知」が発送されます。「拒絶理由通知」みたいなものです。代理人として応答するよう準備を進めますが、その際に、「訂正請求書」という書類を提出して、すでに特許になった内容を修正する場合もあります。
再開されたばかりの制度ですし、勉強するのはなかなか面白いですよ!
ではまた!ゆるゆる〜。
参考:
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/igi-tebiki/tebiki.pdf
拒絶審決とは?
こんにちは!ゆる特許です。
三連休ですが、みなさん、いかがおすごしですか?気持ちのいい秋晴れが続いてますね~。
今日はそんな秋晴れとは正反対(笑)、拒絶審決について書いてみます。審決拒絶と言ったりもします。
拒絶査定を受け取って不服審判請求を提出してもなお、審査官が納得しない場合に、拒絶審決がだされます。
(拒絶査定については、http://yurutokkyo.hatenablog.com/entry/2017/09/17/161646)
特許法を見てみると、156条と157条に書いてあります。
(審理の終結の通知)第百五十六条〜略〜4 審決は、第一項又は第二項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。
「審決があつたときは、審判は、終了する。」とは、「審判のステージは終了して、次の審決のステージにうつります」ということですね、きっと。
拒絶審決なんて受け取ったら、もうそれはえらいこっちゃです。これに反論するためには、知的財産高等裁判所(略して、知財高裁と言います。)に、特許庁を相手に、審決取消訴訟を起こすことになります。裁判ですよ!
原告:出願人(代理人として特許事務所の弁理士が関わります)
被告:特許庁
となるわけです。
「この審決の結果は納得できないから、取り消せ!」という裁判です。どうしても必要な特許は、このような方法を使ってでも獲得していこうとします。
事務の仕事としては、まずはクライアントに審決を受け取ったことを連絡することになります。大抵は諦めることが多いかと思いますが、訴訟に進むことになったら、訴訟専門の担当者にバトンタッチする事務所もあるでしょうし、そのまま審決の担当者が担当する事務所もあるでしょう。(訴訟関係についてはのちほどご説明していきたいと思います。)
ではまた!ゆるゆる〜。
委任状について
こんにちは。ゆる特許です。
大型台風、心配ですね…
今日は、委任状について書いてみます。
特許事務所は、弁理士が出願人の代わりに手続きをおこない、その代理業務に対して手数料をいただくことで成り立っています。
大切な手続きなので、その出願人が本当に手続きを依頼したのか、つまり、その弁理士は代理権をもっているのかどうか、特許庁に証明する必要があります。
そのために提出する書類が「委任状」です。
委任状には以下の2種類があります。
- 包括委任状
その出願人が依頼した全案件に適用されます。包括委任状提出書という書類に委任状を添付して提出すると、1月ほどで、「包括委任状番号通知」という書類が届きます。代理権の証明が必要な場面では、そこに書かれている「包括委任状番号」を書類に記載すればOKです。
包括委任状をもらえるというのは、それだけ出願人から信頼されているということですが、事務担当者の作業も、後々、とってもスムーズになります。
- 個別委任状
出願番号や特許番号が記載された委任状で、それぞれの案件にのみ効力を発揮します。代理権を証明することが必要な書類を提出する際に、一緒に提出します。任されている案件が少なかったり、「包括委任状はわたさない」という出願人の方針があったりする場合に、こちらが使われます。1つの案件につき、一度提出すればOKです。
どちらにしても、事務所でテンプレートを用意しておけば、毎回時間がかかるような作業ではありません。出願人の名称や住所を間違えないように、気をつけて作成してくださいね!
なお、代理権の証明が必要な場面としては、
- 出願人にとって権利の放棄となる出願取下
- 出願から審判へとステージが代わる不服審判請求
- 権利の所有者が代わる名義変更、移転登録
などです。
出願時から関わっていれば出願する際には必要ではありませんが、他の特許事務所が出願した案件を途中で引き継ぐ場合(中途受任と言います)には、引き継ぐタイミングで代理権の証明が必要になります。
出願人が、日本か外国かの違いとしては、
日本の出願人の場合には、日本語で書かれた委任状に印鑑をおしてもらったものを提出します(韓国の出願人も日本と同じ印鑑文化なので印鑑を押す場合があります)。
外国の出願人の場合には、英語で書かれた委任状にサインをもらったものとその日本語訳を一緒に提出します。
そういえば、27年の法改正で、外国語出願が英語だけでなく他の言語もOKになったけど、委任状はどうなっているのかな?
ネットで調べてみましたが、よくわかりませんでした。委任状は特許事務所が作ることがほとんどで、外国の出願人が英語以外の外国語で自ら作成して送ってきた。。。なんてことはまずないと思いますが、まったくないとも言い切れませんね。万が一、そんな場面に出くわしたら特許庁に聞いてみたいと思います!
ではまた!ゆるゆる〜。