ゆる特許事務所

特許事務員による特許事務員のためのブログです。特許法をはじめ、特許事務に関わることをゆるゆると書いています。よろしくお願いいたします!

延長登録出願について

こんにちは。ゆる特許です。 今日は延長登録出願について書いてみます。 初めてこの言葉を知る人は、出願なの??登録なの??と耳慣れない感じがされると思います。 これは、登録後におこなう、特許期間を延長する手続きです。 まず、みなさんご存知のとお…

欧州特許出願と各国移行について

みなさま、こんにちは。ゆる特許です。 今日は欧州特許出願と各国移行について書いてみます。 日本の出願人が世界の特許を取得する流れとしては、日本の出願を基礎として、 まずはPCT出願し、その後各国移行する パリルート経由で直接各国に出願する のどち…

翻訳文の提出について

みなさま、こんにちは!ゆる特許です。 さて、今日は、翻訳文の提出について書いてみたいと思います。海外の出願人が日本特許庁に対して手続きをする場合のお話です。 パリルートの外国語出願にしても、PCT国内移行の出願にしても、日本語の提出が必要になり…

外国の出願人の出願について

こんばんは。ゆる特許です。 「外国の出願人(在外者)が出願できるのか?」という点について書いてみたいと思います。 特許法には、第8条に書かれています。 (在外者の特許管理人) 第八条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者…

実用新案について

みなさま、こんにちは! 今日は、実用新案について書いてみたいと思います。 実用新案は、物品の構造や形状にかかる考案に限って保護します。 実用新案法第1条には以下のように書かれています。 第一条 この法律は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案の…

PPHとPCT-PPHについて

みなさま、こんにちは!ゆる特許です。 すっかり秋らしくなってきましたね。 今日はPPHについて書いてみたいと思います。 PPHとは、特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway)のことで、ある発明を複数の国で特許にしたい場合、1つの国で特許になる…

韓国の情報提供制度について

こんにちは!ゆる特許です。 お天気がよくない週末となりましたね。 さてさて、前回は情報提供について、前々回は韓国特許法についてお知らせしましたが、韓国の情報提供はどうなっているか調べてみました。 韓国で情報提供をするとなると、技術的な内容は弁…

情報提供について

こんにちは!ゆる特許です。 今日は、情報提供について書いてみようと思います。 以前、異議申立をご紹介したことがありましたが、異議申立は特許後に「この発明が特許になるのはおかしい」と訴えるのに対し、情報提供は、出願後に、いつでも、だれでも行う…

韓国特許法について

みなさま、こんにちは。ゆる特許です。 ついに入りましたね、10連休。いかがお過ごしでしょうか。 今日は、韓国特許法について書いてみます。 特許を取得するまでの主な流れとしては、日本とほぼ同じです。 まず出願についてですが、日本企業が韓国の特許を…

審決取消訴訟について

こんにちは!ゆる特許です。 卒業シーズン、桜も咲いて春らしくなってきましたね! 今日は、拒絶審決を受け取った後の話を書いてみたいと思います。 拒絶審決を受け取った後は裁判をするしかないため、特許をとることをあきらめる出願人がほとんどです。です…

審査請求料、特許料の減免制度について

こんばんは!ゆる特許です。 特許事務員のみなさんに朗報です! なんと、審査請求料、特許料の減免制度の手続きが大幅に簡略化されるそうです! やった〜(笑) 新たな特許料等の減免制度が始まります(審査請求料・特許料(第1年分~第10年分)) | 経済産…

分割出願の審査請求について

こんにちは!ゆる特許です。 今日は、分割出願の審査請求について書いてみます。 そもそも、審査請求は出願から3年が期限となっていることは以前にお伝えしました。 特許事務の経験がある方は、分割出願の審査請求期限は「30日」と覚えてらっしゃる方が多…

分割出願の出願人と発明者について

こんばんは!ゆる特許です。 今日は、分割出願の出願人と発明者について書いてみます。 まず出願人についてですが、前回お知らせしたとおり、分割出願は特許法第44条に記載がありますが、その第1項に下記のように書いてあります。 第四十四条 特許出願人…

分割出願ができる時期について

こんにちは。ゆる特許です! 今日は、分割出願ができる時期について書いてみます。 分割出願は特許法第44条に記載があります。 第四十四条 特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とする…

特許事務とは

もう1月も終わりそうですが(笑) あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。 年のはじめなので、少し脱線して、特許事務のお仕事について書いてみます。 インターネットで「特許事務とは」と検索してみると、法律を駆使してバリバリ…

意匠権について

みなさま、こんばんは。 今日は意匠権(いしょうけん)について書いてみます。 過去記事 http://yurutokkyo.hatenablog.com/entry/2018/04/21/235246 意匠権とは、物品のデザインの保護をするための権利です。法律としては、特許法とは別に、意匠法という法…

PCT出願後の流れ_2

PCT

みなさま、こんにちは! 前回の続きです。 過去記事:PCT出願後の流れ - ゆる特許事務所 PCT出願は、優先日から18ヶ月経過したあと、WIPO国際事務局によって国際公開されます。その際に発行される公報をWO公報や国際公報とよびます。 国際予備審査とは、国…

PCT出願後の流れ

PCT

みなさま、こんにちは。 またまた台風が近づいております。今年は多いですね…何事もないことを祈っております。 さてさて、今日は、PCT出願した後の流れについてまとめてみます。 過去記事: PCT出願の基本 - ゆる特許事務所 PCT出願の手順について - ゆる特…

識別番号について

みなさん、こんにちは!また台風が近づいてきていますね。 今日は識別番号について書いてみます!特許庁に出願する際に、出願人の情報として、 住所又は居所 氏名又は名称 が必要です。 ただ、一度出願するとそれらの情報が9桁の識別番号に紐づけられます。…

名義変更について

みなさま、こんにちは! 台風が近づいていますが、大きな災害とならないことを祈っております。 今日は、名義変更について書いてみたいと思います。 (関連記事:中途受任について - ゆる特許事務所) 名義変更と移転登録は手続が異なるので、まずは名義変更…

発明者の追加や削除の手続き

こんばんは!ゆる特許です。 今日も1日暑かったですね〜。熱中症には気をつけましょう。 今日は、発明者の追加や削除の手続きについて書いてみます。 まず、このブログですでに散々登場している「発明者」とは何か、というと、特許法にその定義は書かれてお…

優先権書類の提出&電子交換について

こんばんは!ゆる特許です。 今夜は、優先権書類の提出について書いてみます。 パリ条約に基づく優先権を主張する出願をする場合、基礎出願日から1年4月以内に、基礎となる出願の優先権書類を特許庁に提出する必要があります。(特許法43条) (パリルート…

中途受任について

みなさま、こんばんは!ゆる特許です。 今日はちょっと番外編ですが、中途受任について書いてみたいと思います。 中途受任(中途移管と言ったりします)は、文字通り、他の特許事務所さんが管理している案件を途中から引き継ぐことを言います。 そのようなこ…

特許以外に守られるものって?

こんばんは!ゆる特許です。 慌ただしかった新学期もそろそろ落ちついてきた頃でしょうか。 今まで特許権のことを中心に書いていましたが、人々が作り出したものを守ってくれる制度は、他にもあります。 「実用新案権」「意匠権」「商標権」です。 特許権も…

お礼

ゆる特許事務所のブログを書きはじめて1年が経ちました! いつも読んでくださっているみなさま、本当にありがとうございます。 実は、特許事務として仕事をするようになってから、もう10年になります。 10年たっても、毎日、わからないこと、難しいことがで…

PCT出願の手順について

PCT

こんばんは!ゆる特許です。 今日は、PCT出願の手順について書いてみます。 (過去記事:PCT出願とは? PCT出願の基本 - ゆる特許事務所) ほとんどの書類が専用のソフトを使ってオンラインで特許庁に提出できますが、PCT出願も同様にオンラインで提出できま…

出願維持年金について

みなさん、こんにちは。ゆる特許です。 花粉症の方にとっては辛い季節ですが、ポカポカと天気のいい日が続きますね。 もうすぐ春の予感です! 今日は、出願維持年金について書いてみます。 出願維持年金とは、登録になる前から、出願を維持するために毎年支…

米国_IDSについて

おはようございます!ゆる特許です。 今日は、米国のIDS制度について書いてみます。 内外特許事務の方々にとっては、米国出願といったらIDSに関する事務業務が常にある、というぐらい大切な制度です! IDSとは、Information Disclosure Statementの略で、情…

米国_仮出願について

こんばんは!ゆる特許です。 今日は、米国の特許出願について調べてみました。 米国への特許出願は下記の4つに分けられます。 非仮出願(nonprovisonal application):英語による通常の出願 国際出願:PCT出願 日本語非仮出願:日本語で出願し翻訳文を提出…

海外の特許制度について

おはようございます!ゆる特許です。 今年もどうぞよろしくお願いいたします! 昨年は日本の特許制度について書くことが多かったので、今年は海外の特許制度も勉強してみようと思います。 内外事務の方にはもちろん必要な知識ですが、意外にも、外内事務の方…