ゆる特許事務所

特許事務員による特許事務員のためのブログです。ゆるゆると特許法を勉強していきましょう。

拒絶理由通知の基本

こんにちは!ゆる特許です。

 

今日は、拒絶理由通知について説明します。

出願、審査請求したあと、そのまま特許査定が出て特許になるのがいちばん理想ですが、残念ながら、なかなかうまくはいかず、大半は拒絶理由通知という書類が発送されます。簡単に説明すると、審査官が「〇〇な理由で特許にはなりません」と伝えてくる書類です。

特許になるための主な要件として、「新規性」と「進歩性」というものがあります。

新規性:公然に知られた発明でないこと(特許法29条第1項)。つまり、誰も知らない発明でないとダメですよ、ということです。
進歩性:その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができないこと(特許法29条第2項)。つまり、同じ分野の専門家が考えつくようではダメですよ、ということです。

これらの要件を満たせないときに、過去に同じような内容で出願された発明の公報を引用文献として、拒絶理由通知が発送されます。

これに対して、出願人(または代理人である弁理士)は、意見書や手続補正書を提出します。応答期限は国内の出願人は拒絶理由通知の発送から60日(2月延長可能)、外国の出願人は3月(3月延長可能)です。(延長については拒絶査定不服審判後は制度が異なります)
 
特許事務は何をするかというと、拒絶理由通知をお客様に送ったり、弁理士が作成した意見書や手続補正書をチェックしたり、特許庁に提出したりします。
特許庁書類のチェックは、はじめは難しいかもしれませんが、徐々に慣れてきますよ。
 
ではまた!ゆるゆる〜。
 


職務発明制度について

こんにちは!ゆる特許です。

今日は「職務発明制度」について説明します。特許事務の日常では触れる機会は少ないですが、お客様から質問されることもあるので、基本的なことは知っておきたいな〜と思います。

「発明」をする人のことを「発明者」とよびますが、その発明の「特許を受ける権利」は、その発明を生み出した発明者にあります。

ただ、一般的に、発明者は企業や団体の従業員であり、仕事として研究を続け発明を完成させることになるため、その企業や団体も「利益が欲しい!」と考えるわけです。

職務発明制度は、このような発明者が仕事として完成させた発明に対して、発明者(以下:従業員等)と企業や団体(以下:使用者等)の権利を示しています。

特許法では、35条に記載されています。

35条は平成27年に法改正があり、「あらかじめ合意があれば発明が生まれた時から特許を受ける権利は使用者等に属する」と変わりました。

また、承継する代わりに従業員が受けていた対価は「相当な対価」から「相当な金銭その他の経済上の利益」となり、金銭でなくてもいい、ということになったそうです。

企業が出願人として出願をすることがほとんどですが、発明者から出願人への権利移行をスムーズにするためなのかな?と思います。

 

f:id:yurutokkyo:20170407233149p:plain

 

特許庁のホームページに掲載されているガイドラインがわかりやすいのでご参照ください。http://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/pdf/shokumu/09.pdf

 

ではまた〜。ゆるゆる〜。

審査請求の基本

こんにちは!ゆる特許です。 

 

今日は、「審査請求」について、説明してみます。(「出願日がなぜ重要なのか」については説明が難しいのでそのうちにします!ゆるゆる~。)

 

審査請求とは、「特許を取得できるかどうか、出願した内容を審査してください」と特許庁に申請する手続きですが、特許法では主に48条の3に書かれています。

 

まず、大切な点としては、出願から3年という期限があります。

「期限管理」は特許事務の最も重要な仕事です。期限を逃すことを、「落とす」とか「徒過する」などと言いますが、審査請求期限を含め、期限を落とすことは、特許事務員として絶対に避けなければいけません。平成26年の法改正により、審査請求期限を徒過した場合の回復措置もとられるようになりましたが、今のところ回復が認められた案件はないようですので、引き続き期限管理の大切さは変わりませんね。

 

また、審査請求をする際には特許庁にお金を払う必要があります。

審査請求料の計算方法は、118,000円+(請求項の数×4,000円)で結構なお金がかかります。出願人は、お金をかけてでも本当に特許取得したいのか、この段階でもう一度よく検討することになります。出願人が「この出願は必要ない」と判断した場合は、審査請求をしません。審査請求しないと、出願を取り下げたとみなされます。

f:id:yurutokkyo:20170324152540p:plain

ではまた!ゆるゆる~

広告を非表示にする

出願の種類

こんにちは!ゆる特許です。

花粉症の方はこの時期つらいですね…私もマスクが外せません。

 

今日は、特許庁に提出される出願の種類について説明してみます。 

*通常出願:弁理士が明細書を書き、新規の出願として提出されるものです。

*国内優先:すでに出願した内容(A)を改良して新たに出願(B)することをいいます。Aが出願された日から1年以内にBを出願することが条件です。国内優先をすると出願AはAの出願日から1年4月で自動消滅します(みなし取り下げといいます)。出願Bの出願日は、Aの出願日と同じ日になります。

*分割出願:すでに出願した内容(A)から一部を抜き取って新たに出願(B)することをいいます。国内優先と違って出願Aはみなし取り下げにはなりません。出願Bの出願日は、Aの出願日と同じ日になります。

他には「変更出願」もありますが、頻度が少ないので、ここでは省略します。

 

f:id:yurutokkyo:20170311230528p:plain

国内優先や分割出願は、出願Bの出願日が出願Aの出願日に繰り上がるんですね! 

「出願日がいつなのか」がなぜ重要なのかは、次回に説明したいと思います!

 

ではまた!ゆるゆる〜。

広告を非表示にする

出願書類の基本

こんにちは!ゆる特許です。

 

今日は、出願するときに提出する書類(出願書類)について書いてみます。

出願書類は、「願書」「明細書」「特許請求の範囲」「要約書」「図面」の5つの項目に分けられます。

願書:発明者や出願人などの情報を記載します。特許事務所の弁理士が代理人であれば代理人名も記載します。

明細書:発明に関する詳細の説明を記載します。

特許請求の範囲:特許を取得したい内容を記載します。「クレーム」と言ったりもします。特許を取得したい内容はあくまでも「特許請求の範囲」に記載する必要があります。

要約書:発明を簡単に説明します。

図面:発明に関する図面を添付します。省略することもできます。

 

少しずつ特許法を見てみましょう。

出願書類に関することは特許法第36条に記載されています。

ちょっと言葉が難しく感じますが、上記の説明と同じことが書かれています。

例えば、特許請求の範囲については「すべてを記載」と書かれているので、明細書に書かかれてあるだけの内容は特許取得できないことになります。また、図面については、「必要な図面」と書かれているから、省略もできるということになりますね。

 

f:id:yurutokkyo:20170228231156p:plain 

 

ではまた!ゆるゆる〜

広告を非表示にする

内内、内外、外内とは?

f:id:yurutokkyo:20170217163052p:plain

 

こんにちは!ゆる特許です。

 

今日の話題は、これから特許事務をはじめたいと思っている方に向けてとなりますが、特許事務の仕事分担としてよく聞くことになる、「内内」「内外」「外内」という言葉について説明します。

 

*「内内(ないない)」とは、日本の出願人が日本の特許を取得することをいいます。「内→内」の流れで、図では赤色の線で示してあります。

*「内外(ないがい)」とは、日本の出願人が外国の特許を取得することをいいます。「内→外」の流れで、図では青色の線で示してあります。

*「外内(がいない)」とは、外国の出願人が日本の特許を取得することをいいます。もうお分かりかと思いますが、「外→内」の流れで、図ではオレンジの線で示してあります。

出願人は1つの発明に関して、自国だけでなく、他国の特許も取得することができます。こうやって見てみると世界中で特許取得が行われており、特許事務として関われると思うとワクワクしてきますね!

特許事務もこの3パターンのどの部分を担当するかによって、必要な知識も変わってきます。

「内内事務」や「外内事務」は、日本特許庁に対する手続きを担当することになるので、特許法を勉強する必要があります。加えて、外内事務は、海外の代理人とのやりとりが発生するため、英語が必要となります。

「内外事務」は、日本の出願人が外国の特許を取得する手続きを担当することになるため、それぞれの国の法律を勉強する必要があります。基本的な特許取得の流れは、どの国も大きく変わりませんが、期限が異なっていたり、その国独自の手続きがあったりします。また、外内事務と同様に、海外の代理人とのやりとりが発生するため、英語が必要となります。内外事務のことを外国事務とよぶこともあります。

 

どの部分を担当するにしても、それぞれ大変さはありますが、やりがいも充分にある仕事といえますね。

 

ではまた。ゆるゆる〜。

特許取得の主な流れ

こんにちは!

まず、特許を取得するための主な流れをご説明します。

f:id:yurutokkyo:20170208210346p:plain

出願人(特許を取得したい企業や人のこと)が、特許を取りたい発明の内容を特許庁に提出します。これを「出願」といいます。

出願しただけでは特許は取得できません。

出願してから3年以内に「審査請求」という手続きをします。「特許を取得できるかどうか、出願した内容を審査してください」と特許庁に申請する手続きです。

審査請求することで、特許庁に所属する審査官が、「この発明は特許を取得できる価値のあるものか?」という審査をします。

審査官が特許を取得できない理由を見つけた場合、「こういう理由であなたが出願した内容では特許になりません」という内容が書かれた拒絶理由通知が発送されます。 

拒絶理由通知を受け取った出願人は、「いえいえ、こういう理由で審査官がおっしゃっていることには矛盾がありますから、特許を認めてください」と返事をだします。国内の出願人は60日、海外の出願人は3ヶ月で返事をする必要があります。特許を取得しやすくするために、出願していた内容を変更する場合もあります。意見が書かれた書類を意見書といい、出願した内容を変更する書類を手続補正書といいます。

審査官が納得し、無事に特許取得が認められることになったら、「特許査定」という通知が発送されます。特許査定が発送されてから、30日以内に特許料というお金を払うことで、「特許証」という賞状のようなものが送付されて無事に特許(登録)となります。

基本的な流れは以上ですが、拒絶理由通知が出されずにすぐに特許査定が発送されるラッキーな時もあるし、意見書手続補正書を提出しても納得してもらえず「拒絶査定」などさらに説明を求められる書類を受け取る場合もあります。

 

ではまた!ゆるゆる〜。