PPHとPCT-PPHについて
みなさま、こんにちは!ゆる特許です。
すっかり秋らしくなってきましたね。
今日はPPHについて書いてみたいと思います。
PPHとは、特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway)のことで、ある発明を複数の国で特許にしたい場合、1つの国で特許になるとの判断が出された際に、その内容を他国に申請することで、他国でもスムーズに特許を取れるようにする制度です。
たとえば、日米間だと、米国で特許可能と判断されたら、米国の審査に関連する書類を日本に提出することによって、日本での権利化もスムーズに進めることができます。
私の勤めている特許事務所でも年々依頼が増えています。クライアントが希望する理由としては、早く権利化したいという理由が最も多いですが、審査をスムーズにすることで拒絶理由通知などにかかるコストをカットしたいという事情もあるようです。
日本特許庁には、早期審査に関する事情説明書にPPH申請書を添付して提出します。
PPH申請書には
- 第1庁(先行庁)の全てのオフィスアクションの写しと、その翻訳文
- 第1庁(先行庁)で特許可能と判断された請求項の写しと、その翻訳文
- 引用文献
- 請求項対応表
を添付することになっていますが、国によって省略可能とのことです。私も、請求項対応表以外は添付した記憶がありません。
(画像は特許庁ホームページより引用)
それから、同じような制度で、PCT-PPHという制度があります。これはPCT出願時に国際調査機関が作成した見解書(ISR)などを利用して早期審査を行う制度です。
(画像は特許庁ホームページより引用)
PCT-PPHは各国で特許可能との判断が出る前に利用できるので、より早く権利化したい時に効果を発揮してくれます。
ではまた!ゆるゆる〜。
参考:
PCT出願の国際段階成果物を利用した特許審査ハイウェイについて | 経済産業省 特許庁